資産ミックス(Money Mix)とは
Money Forward ME(MFME)等の資産内訳テキストをブラウザに貼り付けるだけで、AI(LLM)が 記載内容を理解し、現代ポートフォリオ理論(MPT)にもとづくリスク・ リターンの計算とインタラクティブなグラフ描画を行う、サーバーにデータを送信しない、ブラウザ完結型の Web アプリケーションです。
サーバーやクラウドを利用せず、すべてローカルのブラウザ側で動作します。こんな資産配分だったらどうかということも ローカルPC内で試しながら、リスク水準・長期の見通し、暴落時の影響などを確認できます。
取り込み(資産情報貼り付け → 解析)
Money Forward ME(MFME)等の資産内訳テキストを貼り付けて「解析してインポート」を押すと、 Gemini API が表記のゆらぎを吸収して JSON 形式に変換し、アプリに取り込みます。
ご自身で管理している「資産名+金額」が読み取れるテキストでも解析できます。 「取り込み」からモーダルを開き、「サンプルを挿入」を押すとサンプルのデータが入力欄に入り、すぐに動作を試せます。
入力テキストの例
現金・預金 ¥654,321 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) ¥2,345,678 楽天・全米株式インデックス・ファンド ¥1,234,567 個人向け国債 変動10年 ¥987,654 ビットコイン ¥123,456
Gemini APIキーの取得・設定
このアプリは、貼り付けたテキストをAI(Gemini)が解析します。キーはご自身のものを使い、 このブラウザにのみ保存され、サーバーには送られません。
- 無料:すべてのGoogleアカウントで無料枠内に使えます(制限内なら課金なし)。
- 取得手順:① Google AI Studio(aistudio.google.com/api-keys)にログイン → ②「APIキーを作成」→ ③ プロジェクトが無ければ「+プロジェクトを作成」→ ④「キーを作成」→ ⑤ 表示された文字列をコピー。
- 安全設定(必須):作成したキーの権限を「Generative Language API のみ」に制限。
- 使い方:アプリの「Gemini APIキー」欄に貼り付け。
送信前の自動サニタイズ(個人情報の除去)
解析のため貼り付けたテキストは Google の Gemini API に送信されます。メールアドレス・電話番号・ 口座番号・氏名などの個人情報(PII)らしき記述は送信前に自動で除去しますが、念のため、個人を特定できる情報は貼らないようにしてください。
無料枠と有償版のちがい
- 無料枠(Google AI Studio):送信データが製品改善・学習に使われ得ます。
- 有償版(Google Cloud Vertex AI 等):契約上、入力・出力が学習・改善に利用されないと規約で明記されています。
無償のAPIキーをご利用の場合、混雑時にエラー(レート制限など)が発生したり、応答が遅くなることがあります。
本アプリは「送信前の自動サニタイズ」と組み合わせることで、個人を特定できる情報を、そもそも送らない運用を基本としています。
アロケーション/計画値
「資産クラス」とは、現金・国内株式・先進国株式・新興国株式・国内債券・外国債券・REIT・ コモディティ・暗号資産・その他、といった資産の種類のことです。アプリは各クラスの金額を 集計し、構成比(割合)をドーナツグラフとクラス別リストで表示します。
計画値(編集できる金額)
クラス別リストの金額は「計画値」として編集できます。既定値は 0 で、MFME を取り込むと 自動反映されます。以後は −/+ボタンや数値入力で自由に増減し、「もしこの配分なら?」を 試せます(what-if 編集)。計画値はあとで説明する保有明細とは独立しています。
クラス別リスト・構成比
各クラスについて、金額・構成比・リスク(σ)・期待リターンを表示します。構成比はそのクラスの 金額 ÷ 総資産です。
現金・預金の除外
現金・預金の行にある「除外」にチェックを入れると、現金を計算の分母からも外し、残りの 投資クラスだけで割合を正規化して、リスク・リターンを計算し直します。これは「投資している 部分だけのリスク」を見るための切り替えです。
「その他」の扱い
「その他」は未分類の資産で、リスク・リターンの計算対象外です(総資産やドーナツには 含めますが、リスク計算からは除外されます)。
保有資産一覧
MFME等から取り込んだ資産明細の一覧です。CSV ダウンロード、フリーテキスト検索、資産クラスでの 絞り込み、列ヘッダのクリックによる並べ替えができます。
各行の資産クラスはプルダウンで修正できます。明細の分類修正を計画値へ反映したいときは 「明細から再集計」を押してください。計画値と保有明細は独立して動く設計のため、 明細を直しただけでは計画値は自動では変わりません。
リスク・リターン
期待リターン(年率)は、各資産クラスの期待リターンを構成比で加重平均した値です。
リスク(σ・年率)は、ポートフォリオ全体の標準偏差です。各クラスのボラティリティと クラス間の相関を組み合わせて分散を求め、その平方根として算出します(=値動きのブレの大きさ)。
評論コメントの基準
- σ < 10%:保守的(安定重視)
- 10% ≤ σ < 18%:バランス(標準的・分散型)
- σ ≥ 18%:積極的(成長重視・株式中心)
長期予測
連続複利リターンが正規分布する、という前提に立つと、将来価値は対数正規分布になります。 この前提で、分布を 6 本の線で表します。
- 中央値(基本シナリオ):半数がこれを上回り、半数が下回る、ちょうど真ん中の値。
- 最頻値:最も起こりやすい金額。複利の歪みにより、中央値より低めに出ます。
- 上位/下位 5%・25%:分布の幅(楽観〜悲観)を示すパーセンタイル帯。
あわせて元本割れ確率も表示します。元本は入力でき、年数は 20 年で固定です。
「元本(開始額)」は運用対象(「その他」や除外した現金を除いた額)を予測の開始額にしています。 そのため総資産より小さく表示されることがあります。
凡例(中央値/最頻値/50%レンジ/90%レンジ)をタップ/クリックすると、各線の表示・非表示を 切り替えられます(レンジは帯ごと)。
取り崩しシミュレーション(出口戦略)
どう見て、どう使うか
取り崩し(出口戦略)は、いまの資産を取り崩しながら暮らす局面のざっくりした試算です。年金を軸に考えると入力しやすくなります。
- 毎月の取り崩し額:必要な生活費から年金を引いた「差額」で考えると現実的(年金で足りない分を資産から取り崩す)。
- 取り崩し年数:リタイア後に自己資金で賄う年数=年金生活の年数の目安で。ざっくりで十分です。
- インフレ率:将来の物価上昇ぶん(既定2.0%)。
結果は、枯渇確率と、グラフ(中央値+10–90%の幅)で、資産がもつかどうかの目安が分かります。
現金の考え方:取り崩し開始額は「運用対象」(現金除外を反映)です。生活防衛費(絶対に使わないお金)は計算から外し、いずれ投資に回す待機資金はクッションとして含めるのが基本。現状は「現金除外」で現金全体をまとめて外す/含める切り替えになります(生活防衛費と投資予備を分ける細かい設定は今後)。
詳しい仕組み
取り崩し期は収益順序のリスクが効くため、長期予測の対数正規(決まった式)では表現できません。そこで多数のリターン経路を生成するモンテカルロで試算しています(2,000経路)。
方式は定額(毎月一定額)で、インフレ率に合わせて毎年増額しながら取り崩します。リターン/リスクは現在のポートフォリオのμ・σを使用。税金は、まだ考慮できていません(NISA等の非課税枠から取り崩す前提のみで計算)。
将来予測ではなく、現在のリスク特性を用いた確率的な試算です。実際の市場・税・支出の変動で結果は変わります。
統計的変動(VaR)
±1σは、約 68% の確率で 1 年後の結果が収まる範囲の目安です。
95% VaRは、「20 年に 1 度」級の下落の目安を示します。
いずれも正規分布を仮定した概算であり、実際の暴落はこれを超えることがあります(テールリスク)。
ストレスチェック
これは「もし今、大きな相場ショックが起きたら?」を試す仮想シナリオです (予測ではありません)。それぞれの下落幅は、過去の代表的な危機(2008 年リーマン/ 2020 年コロナ/2022 年米利上げ)で実際に起きた下げを目安に設定しています。いまの配分だと、 こうしたショックが起きた場合にどの程度の損益になりそうかを試算します。
AI・ハイテクバブル崩壊については、過熱したAI・ハイテク株が大きく下がった場合の想定です。下落は成長株・ハイテク偏重(先進国株・暗号資産)に集中し、逃避先の外国債券・金はむしろ上がる局面を見込みます。
下落幅は推計値で、歴史的円安からの巻き戻し(円高)も加味しています。
データと前提について
パラメータの出典
本ツールのリスク・リターン試算は、各資産クラスの「期待リターン・リスク(ボラティリティ)・相関」という 長期的な前提(キャピタル・マーケット・アサンプション)に基づきます。既定では、J.P. Morgan Asset Management が公表する Long-Term Capital Market Assumptions(LTCMA)2026年版の日本円建てマトリクス(data as of 2025年9月30日)を一次ソースとして採用しています。LTCMA は10〜15年程度の長期を見据えた前提で、円建て・為替変動リスク込みの前提であるため、日本の投資家の円ベースの試算と整合します。設定で「GPIF等参考」と切り替えて 新旧を見比べることもできます。
「GPIF等参考」は、GPIF 等の長期見通しを参考にした概算値です(LTCMA 2026 採用前の設定)。 特定年度の LTCMA ではありません。
期待リターンの扱い(算術 vs 幾何)
期待リターンには算術平均(年率)を採用しています。一方、長期予測の「中央値」は対数正規分布に基づき、 ばらつきによる目減り=分散ドラッグ(−σ²/2)を差し引いて算出します。これにより、算術平均をそのまま複利 成長に当てはめて過大評価する“二重計上”を避けています(中央値は実質的に幾何平均の成長に一致します)。
リスクと相関
リスク(σ)は LTCMA のボラティリティを、相関は同マトリクスの相関を各クラスの代表指数で9×9に再構成して 用います。現金は保守的に他資産と無相関として扱います。バリアントを選ぶと、その資産クラスの相関も、選んだバリアントに対応する想定値に切り替えて計算します(近似)。暗号資産(crypto)は LTCMA の対象外のため、別途の独自仮定値(高リターン・ 高ボラの参考値)を用いています。
選べる前提(設定)
実際のポートフォリオに合わせて、設定で前提を切り替えられます。
- パラメータ出典:GPIF等参考 / LTCMA 2026(新旧比較)
- コモディティ:金 / 広範コモディティ(ベースメタル等を含む)
- 先進国株式:除く日本 / 日本含む
- 外国債券:除く日本(ヘッジなし)/ 除く日本(ヘッジあり)/ 日本含む(ヘッジなし)
- REIT は、グローバル単独の前提が無いため、市場規模の大きい米国 REIT をグローバルの代替(プロキシ)として用いています。
採用代表指数の一覧
- cash=日本短期金利
- domestic_equity=日本大型株式
- developed_equity=先進国株式(除く日本/日本含む)
- emerging_equity=新興国株式
- domestic_bond=日本国債
- foreign_bond=グローバル債券(除く日本・ヘッジなし/あり、日本含む・ヘッジなし)
- reit=米国 REIT(グローバルのプロキシ)
- commodity=金(オプション:広範コモディティ)
- crypto=LTCMA 対象外(独自仮定値)
出典・ご注意
データ出典:J.P. Morgan Long-Term Capital Market Assumptions 2026(日本円建てマトリクス)。本ツールは長期的な 前提に基づく概算シミュレーションであり、投資助言ではありません。前提(出典・オプション)が変われば結果も 変わります。最終的な判断はご自身で、必要に応じて専門家にご相談ください。
用語の補足(ミニ用語集)
アプリ内の専門用語は、ラベルにマウスを重ねると一言の説明が出ます(点線の下線が目印)。一覧は次のとおりです。
用語一覧
- 期待リターン(年率)=1年あたり期待される平均リターン(算術平均)。
- μ(ミュー)=期待リターン(年率・算術平均)。1年あたり期待される平均リターン。
- リスク(年率σ/標準偏差)=リターンのばらつき。大きいほど上下の振れ幅が大きい。
- VaR(95%・1年)=95%の確率で1年の損失がこの範囲に収まる目安(最大想定損失の目安)。
- 構成比=各資産が全体に占める割合。
- 相関=資産同士の値動きの連動度(+1 同方向/−1 逆方向/0 無関係)。
- 中央値=予測のちょうど真ん中の見通し。最頻値=最も起こりやすい見通し。
- 90%/50%レンジ(パーセンタイル)=結果がその範囲に収まる確率帯。
- 元本割れ確率=期間末に元本を下回る確率。
- シャープレシオ=リスク1単位あたりの超過リターン(リスクに見合うリターンが得られているかの目安)。
- REIT=不動産投資信託(上場された不動産ファンド)。本アプリは米国REITをグローバルの代替に使用。
- ヘッジ(為替ヘッジ)=為替変動の影響を抑える仕組み。「あり」で低減、「なし」はそのまま受ける。
- 広範コモディティ=金以外も含む幅広い商品指数(原油・ベースメタル・農産物など)。
- バリアント=同じ資産クラス内で選べる“想定指数のバリエーション”。例:先進国株式の「除く日本/日本含む」、外国債券の「ヘッジあり/なし」。
- モンテカルロ=ランダムなリターン経路を多数生成し、結果の分布から確率を見積もる手法。
- 枯渇確率=設定年数の末までに資産が尽きる確率(取り崩しシミュレーション)。低いほど安心。
- リターン経路=将来リターンの時系列の並び。1本が1つの想定シナリオで、モンテカルロは多数生成して分布を見る。
設定
外観(ライト/ダーク)
表示の外観を選べます。「システム」はお使いの端末(OS)の設定に追従します。資産ミックス・ガイドの両方に適用されます。
金額の単位
金額の表示単位を選べます(内部計算は常に円で行います。入力欄も円のままです)。アプリの KPI・明細・予測・ストレス・グラフ軸に反映されます。
パラメータ出典
リスク・リターン計算に使う期待リターン/ボラティリティ/相関の出典を選べます。出典で μ・σ・相関が変わるため、数値結果(リスク・リターン・VaR・予測)も変化します(意図的)。計算式そのものは不変です。
「GPIF等参考」は、GPIF 等の長期見通しを参考にした概算値です(LTCMA 2026 採用前の設定)。特定年度の LTCMA ではありません。
LTCMA 想定オプション
LTCMA 2026 を選んでいるときのみ有効です(GPIF等参考の選択時はグレーアウト)。想定の違いで μ/σ・相関が変わり、数値結果も変化します。
コモディティ
金=ゴールド単体/広範コモディティ=原油・ベースメタル等も含む指数。広範にすると期待リターンはほぼ同等のまま、リスク(変動)が大きくなる前提に切り替わります。
先進国株式
除く日本/日本含む。先進国株式の想定指数が「日本を含む版」に切り替わるだけで、ご自身の日本株は国内株式のまま(再分類はしません)。リターン・リスクの差は小さめです。
外国債券
ヘッジなしは為替変動をそのまま受け、ヘッジありは為替変動を抑えるためリスク(σ)が大きく下がる前提です。「日本含む」では円建て債も含みます。
Gemini API キー
取り込み解析に使う API キー(BYO キー)。お使いのブラウザにのみ保存され、全文は表示しません(末尾4桁のみ表示)。
状態:—
保存データ
このブラウザに保存した入力データ(資産額・配分・元本・設定)を消去し、初期状態に戻します。API キー・外観(テーマ)設定は消えません。
免責・出典
本ツールは現代ポートフォリオ理論(MPT)にもとづく概算シミュレーションであり、投資助言では ありません。
MPT のパラメータは、設定で選択された一次ソース(J.P. Morgan LTCMA または GPIF等参考)に 基づき算出しています。
Special Thanks / 謝辞
本ツールの企画・実装にあたり、以下のサービス・情報源を参考にしました。